本ページでは数学検定準2級の難易度を解説して、勉強方法とおすすめの問題集についても紹介していきます。
数学検定準2級は、3級に比べて大きく難易度が上がります。ここにまた一つの数学の壁があります。
準2級から高校レベルの内容に入ります。
数学の壁となる理由は、高校数学から難しくて新しい分野がたくさん入ってくるからだと思います。新しい概念として、sin(サイン)、cos(コサイン)などや、数Aでも順列、組み合わせなどの新しい内容があり、混乱してしまってついていけないことが原因と考えています。
これまでは、数学は暗記するところが少ないから暗記科目ではないと散々言ってきましたが、ここは諦めて、数ⅠAの概念を叩き込んでください。
ただし、これもただの暗記ではダメです。きちんと概念を理解しないと、次につながりません。
高校数学の滑り出しを失敗しないためにも、確実に攻略していきましょう。
それでは具体的な数学検定準2級の攻略を紹介していきます。
まずは、攻略する相手を知る!ということで恒例の数学検定の難易度と合格率の紹介です。
目次
数学検定準2級の合格率と受験料について
以下の表から合格率を見てみると、3級がおよそ66%であったのに、準2級ではおよそ36%となっています。これまでと比べて一気に難易度が上がっていることがわかります。
※日本数学検定協会2016年度(2016年4月~2017年3月)受検者データより
やはり高校数学の新概念に苦しんでいる人が多いということでしょう。
大丈夫です。人によって時間はかかるかもしれませんが、きちんとした手順で勉強すれば高校数学も難しくありません。
準2級(高校1年生(数学Ⅰ・A)程度)の合格基準と出題範囲
ここでは数学検定準2級の出題内容を確認しておきましょう。高校1年生で習う数学IAが完璧であれば、間違いなく合格できるでしょう。
- 1次 計算技能検定(15問/60分)
- 2次 数理技能検定(10問/90分)
1級~5級は2次構成です。
1次のみ合格、2次は不合格という場合は、次の受験の際、申請すれば1次は免除されます。また逆も然りです。
1次と2次ともに合格すると「実用数学技能検定 合格証」をもらえて数学検定準2級を合格したと言えます。
ちなみに合格基準は下記となります。
上記まとめると、1次は15問出題で合格基準は70%なので、11問正解する必要があります。
2次に関しては、途中の解き方も含めた採点なので一概には言えませんが、10問出題なので6問正解する必要があるというイメージです。
数学検定準2級の勉強の仕方
中学数学と高校数学の違いについて理解する
まず初めに、準2級(高校1年生レベル)の勉強に取り組む前に、中学数学と高校数学の違いについて紹介します。
もちろん、数学というくくりで同じなので、本来違いはないのですが、中学数学でこれまで意識してこなくても何とかなった部分が高校では通用しなくなるといった感じです。
これから伝えることを意識しながら勉強を進めることで、今後の勉強法が変わるかもしれません。
分かりやすく少し大げさに中学数学と高校数学の違いを示します。
中学数学は、パターンを覚えれば得点できる科目でした。円柱の体積は?に対して、公式に数字を当てはめるだけの作業。まるでパズルを解くかのように進めればある程度得点可能でした。
一方、高校数学では、公式の意味を理解して筋道を立てて計算する科目となりました。例えば、分かりやすく中学レベルの問題に例えると、以下のオレンジ枠内のような形式。
この問題は円柱の体積の公式はもちろんのこと、かける順番や引き算の順番を間違えても答えにたどり着けませんよね?
=(b-a)²×c×π
と答えた方は、円柱の体積の出し方を理解できていない可能性があります。
正解は、(b²-a²)×c×π で導きますね。
要は、円柱や円錐の体積の公式は知っていて当然で、その公式の意味をきちんと理解できていないと解けないのです。
高校数学では、中学ようにパターン数学の問題が少なくなります。しかし、意味をきちんと理解していれば難しくありません。まずはしっかりと意味を理解する。その後、パターン化させて効率よくたくさんの問題に触れて慣れる。という手順で勉強しましょう。
準2級の過去問を確認
冒頭でも述べましたが、準2級では新しい知識がたくさんあります。
準2級の合格を目標であるならば、まずは現時点での実力の把握と数学検定準2級のレベルをチェックする必要があります。それには実際の数学検定の過去問を実施するのが一番です。
過去問に関しては、各級1回分だけですが、日本数学検定協会から公式で公開されています。
→数学検定本ページ過去問
これを印刷して、実施しましょう。理想としては、1次と2次をきちんと時間を測って、本番さながらに実施することです。
ただ、準2級は本当に新しい知識が多いので、習っていないと、ちんぷんかんぷんになる可能性があります。
あまりにも解けないと今後の勉強のモチベーションが心配という方は、下記の①②で勉強してから挑むと良いと思います。その場合でも、やはり、どんな問題が出るのかなと過去問をチラ見しておき、戦う相手(数学検定準2級)を確認しておきましょう。
過去問を見て、あー、難しそう。って思う方は、今後の勉強を熱心にやりましょう。
簡単そう!って思う方は実力がある可能性があるので、ぜひ解いてみましょう。
そういったきっかけをつかむためにも過去問は必須だと思います。
勉強法①理論構築をしながら計算力向上を図る
数学検定準2級は、新しい知識が本当に多いです。私も物覚えが悪いので、はじめは苦労しました。
まずは、公式の意味や解き方を正確に理解する必要があります。
そこで一番おすすめの問題集です。
ほかのサイトでも良くおすすめされているチャート式です。
これは黄色のものですが、他に白、黄、青、赤といった難易度で色分けされてます。白が一番易しく、赤が最も難しいです。よほど上を目指していない限り、赤までやる必要はないと思います。
黄色のもので例題と演習のすべてを解けるようになれば十分な実力がつきます。基礎と応用がほどよく入っており、数学検定準2級に適した難易度だと思います。この黄チャートを数IIICまできちんとやれば、準1級も対応可能だと思います。
ちなみに数I と数Aがそれぞれ分かれた黄チャートもあります。
これです↓違いとしては、上のIAが2冊に分かれただけのイメージです。
私は一冊で完了するのが好きなので、上だけを持っていますが、これは完全に好みです。分厚いとやる気をなくすという方は、それぞれIとAが分かれた問題集を一冊ずつ持てばよいと思います。
黄チャートがすばらしいのはその難易度だけでなく、レイアウトも素晴らしいのです。
基本例題の下にすぐに解答、さらに下に確認問題がついているという構成です。これにより、例題と解説で概念を理解した後に、確認問題で知識の定着化が図れます。私の一押しです。
しかも解答がかなり詳しく書いており、図解もあります。そしてこの1冊で準2級の知識を網羅しています。
もし現時点で過去問を解いて、合格点がギリギリとれるという方も一度例題と解答を眺めるだけで、早く効率よくたくさんの問題を確認できるようになります。
準2級を満点とれるくらい極めましょう。そのくらい高校数学の導入は基礎力が重要です。
また黄チャートは章末に少し難易度の高い問題が用意されており、本当にこの一冊だけで準2級対策から大学入試レベルまで確認できます。
この黄チャートの問題集の反復のみで私の数検2次の知識は構成されています。
計算力がついてきたなと思う方は、計算を省いて解き方だけを記して、すぐに答えを確認すれば、より効率よく多くの問題に触れることができます。
具体的には、この方法は準2級の1次の問題が素早く13点以上コンスタントに取れるレベルである状態で実施することがベストです。
私は計算力が十分だと思ったら、書いて解くことをやめました。
頭の中で解法を考えて、答えを見る。
その解法が合っていれば合っていることにするといった具合に。
下記がおすすめの勉強法です。実力に自信のある方は②から実施してください。
【おすすめ勉強法】
- まずは、ひたすら例題と解答を見て、意味を理解して1冊を終える。
- 次に、また最初のページから、今度は解答を見ないように紙などで隠して例題を解き、すぐに解答を確認。そしてPRACTICEやEXCRCISESといった確認問題もすべて解いていく。
- 間違えた問題番号に直接シャーペンで〇印をつけておく。
- 〇印のある間違えた問題だけを、すべて解いていき、正解した問題の〇印を消す。
- 4をひたすら繰り返し、〇印をなくす
これにより、効率よく、自分にとって苦手な分野をあぶり出して、重点的に何回もそこを解くシステムがつくれます。
次におすすめの問題集は日本数学検定協会から出ている公式の要点整理問題集です。やはり、数学検定を司るだけあり、良書です。
AMAZONのレビューにも書かれていますが、一度一通り勉強した方が、要点を確認したいときに使うと効率よく頭で整理できる本となっています。
また、黄チャートでも難しいという方は、下記問題集がおすすめです。下記も数学検定準2級向けで、かつ、1次と2次が1冊でできます。
勉強法②計算力の圧倒的な向上を図る
高校はパターン数学が少なくなるといいましたが、やっぱり、純粋な計算力も吸収する必要があります。
数学の勉強を効率よく進めるうえで、パターン化は必須です。パターン化とは九九と同じような感覚で、自然に解けるようになるまで慣れる作業です。
ただ、ここでもパターン化してしまう前に、今一度きちんと理解できているかを確認しながら、パターン化を進めていただきたいです。
その場合におすすめしたいのが「これでわかる」シリーズの数学版です。例題の解説がとても詳しいので、理解しながら、計算力の純粋な向上が図れます。
教科書のような感覚で使えるところも理想的です。
これも勉強法①で示した、『間違えた問題にチェックをつけて、何周もする』やり方で1冊やってみてください。こちらは薄いので比較的早めに周回できますので初心者向けです。
勉強法③過去問または模擬試験で確認して総仕上げ
受験前に最終確認として、また実力を確認します。
過去問がないという場合も、下記問題集の販売がされておりますのでご安心ください。
ここでは、合格点はもちろん、欲張って満点を目指してください。
どういうことかというと、『数学検定準2級の過去問7割解けたから合格ラインだしもういいや』というのは後で自分の首を絞めることになるということです。
文系の方でも高校2年生までは数学をするという方は多いので、『準2級が7割程度の理解の人』がさらに2級(高校2年生レベル)や準1級(高校3年生レベル)をチャレンジするときにまた7割の点数を取るってすごい苦しみます。大学受験でも絶対に苦しみます。
要はこの準2級の内容を応用した2級、準1級へのチャレンジになるので、妥協してはいけないということです。
新たに立ちはだかる高校数学の理解に多くの方は苦しむと思います。
ただ、せめて勉強をする段階では1問もケアレスミスでいいやってならないようにした方がいいってことです。むしろなんで間違えたんだろうと思って下さい。
勉強の段階では満点を狙い続けて下さい。それが基礎となり、結果的には短時間の勉強で良い結果を残せるようになります。
数学は他の教科に比べて暗記部分が少ないと思いますので、きちんと身に付けたら衰えも少ないです。
仮に数学検定の際に公式を忘れたり、自信がもてないときに私は公式を導いて確認します。全ての公式は導くことができます。
少なくとも準2級の段階ではそういう勉強の仕方をした方が、ゆくゆくは楽になると私は思います。
分からなかったら分かる人に聞け
数学が中学の時に比較的得意だった人も、この数学検定準2級で苦しむと思います。なぜなら、高校分野の新しい概念には、中学の知識だけでは太刀打ちできないから。
だから一人でわからない概念をうんうん悩んでても仕方ありません。あきらめて分かる人に聞いて、時間短縮しましょう。問題集以外に、先生、友達、親、ネット、とにかくなんでも利用しましょう。
中学の時に数学が得意だった人は、ここを乗り越えさえすれば、やっぱり得意になると思います。
反対に、数学が苦手だった人は、ここをラッキーだと思いましょう。新しい概念を確実に理解すればいいですし、暗記に頼ってもいいです。挽回できるチャンスだと思いましょう。
勉強しないといけないことは数学だけではないので、極力効率を意識しましょう。人間遊びたいですしね!息抜きの時間も重要です。
大人になれば分かりますが、本の値段なんて大したことないです。それよりも如何に短い時間で結果が出せるかが重要。
問題集は安価に自分への投資が簡単にできるツールです。
自分に合わない本は素早く損切りして、自分に合う本を探してみると良いと思います。
数学が本当に必要か考えてみる
これを読んでいる方は数学を勉強しよう!と思っている方だと思いますが、あらためて数学が本当に必要か考えてみましょう。
この記事を書いている身としては、数学が不要だ!となっては悲しいですが、高校数学が必要な人について以下のパターンに整理しました。
- 国公立大学に進学するかもしれない⇒国公立大学は推薦でなければ文系でも数学必須です
- 理系の私立大学に進学するかもしれない
- 将来理系の職に就きたいと思っている
- 数学が好きだ
- 将来がわからないからとりあえず勉強する
上記に当てはまらない方は数学を切り捨てるというのも一つの道だと思います。
なぜこんなことをいうのかというと、私の体験談からです。
私は、英語をものすごく勉強しました。あまりにも苦手だったので、本当に努力しました。ちなみに国語もすごく苦手です。
大学は国公立になんとか進学できましたが、あんなに勉強した英語が一番点数が悪かったのです。そして全然勉強していない数学が一番点数が良かったです。
センスがないといってはそれで終わりですが、英語を早くに切り捨てて、ほかの勉強に注力していれば、総合点ではもっと上の大学を目指せたかもしれない。
ちなみに、大学でも英語をあきらめきれず、必死に勉強し、アルバイトをして高い塾(30万円ほどだったと思います)にも通いました。
しかし結局、英語は身につかず、現在研究職ですが、ほとんど英語を使用しません。たまに英語の論文を読むくらい。
自分は無駄な時間を過ごしたかもしれないと思います。
もちろん、全部が無駄ではないと思います。あんなに苦手な英語にずっと辛抱強く立ち向かえたのですから。
でも、苦手なものよりも得意なものの方がぐんぐん伸びていきます。これにはモチベーションも関係していると思います。
自分への投資に本当に数学が必要か、この数学検定で測ってみるのも面白いと思います。
最後に
数学検定準2級について徹底的にまとめました。
数学が必要かどうか、一度真剣に考えてみていいタイミングだと思います。
それで勉強法がパターンなのか、原理原則を着実に積み重ねるのか、重点が変わるかもしれませんからね。
問題集での一番のおすすめとしては黄チャートです。
私の数学は黄チャートで構成されているといっても過言ではありません。何冊も手を出すとしんどくなるので、一冊なにかを仕上げるという目標で取り組むとモチベーションが保てます。
正直なところ日本数学検定協会から出てる要点整理の本も概念的な部分の確認としてはおすすめですし、U-CANから出ている問題集では、共に1次と2次の対策が一冊でできるという点でおすすめです。
自分に何が足りないか、過去問で確認してから、問題集を選定すると良いと思います。
最近はAMAZONも内容を見れたりしますのでぜひ中身だけでも確認してみてください。
次の2級で数学を卒業という方も多いのではないでしょうか。どういう人が卒業するかも含めて勉強理論を紹介しています。
以上っ!
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