定期テスト対策に追われる中高生、受験の足音が近づくにつれてプレッシャーに襲われる受験生、そして日常の業務と並行して資格の取得に励むビジネスパーソン。現代社会には、勉強から逃れる手段はどうやら存在しないようです。
でも、どうせ勉強から逃れられないのであれば、効率よく成果を出したいですよね。今回は、筆者の塾講師としての経験(今は保険屋ですが)から、効果的な勉強方法をお伝えしたいと思います。
目次
マインドセット① 1時間でどれだけ勉強が進んだか?を意識する!
ビジネスの世界には「費用対効果」という言葉がありますが、勉強においては、「時間対効果」という考え方が非常に大事です。これはビジネスパーソンの勉強だけではなく、中高生にも当てはまるでしょう。結局みんな、立場は違えど忙しいのですから。それが部活なのか仕事なのか、くらいの違いです。
昭和のサラリーマンがサービス残業をついやってしまう心理にも共通する気がしますが、日本人は「長時間頑張ることがいいことだ」という価値観が染みついています。
「睡眠時間を削って、クマができるまで頑張ったんです!」と、ドヤ顔で言われると困ってしまいます。当然、ここぞという場合にはそうした努力も必要かもしれませんが、勉強とは瞬間ではなく習慣です。2,3日はそれでも頑張れますが、1週間でギブアップでしょう。
疲れてくると学習効率も下がりますから、皆さんが目指す成果が少しずつ遠ざかってしまいます。
勉強であれ仕事であれ、「どれだけ長い時間頑張ったか」ではなく、「1時間でどれだけ勉強が進んだか?」で勝負が決まります。
効率の良い勉強とは、1時間当たりの学習量を増やすことに他なりません。例えば1時間で英単語10個しか覚えられなかった人が、1時間で20個の英単語を覚えられるようになれば、100時間の学習で記憶できる単語の数は1000個も増えるのです。
とはいえ、ここで注意していただきたいことがあります。比較的優秀でまじめな人ほど、1時間で勉強できる量をいきなり2倍とか3倍に増やそうとしてしまいます。気合の表れだと思うのですが、現実的に難しく、挫折の原因にすらなりえます。
適切な量というのは人それぞれですが、いろんな生徒を見てきた経験では、「昨日より少し多く」で十分です。筆者がベンチマークしてきた、東進ハイスクールの安河内哲也先生は、この少し多くというのを「+2%くらい」と表現しています。
先ほどの例では、10時間で100個の英単語を覚える計算ですので、同じく10時間で102個というイメージです。え、少ないですか?10時間だけ見れば少ないですが、1000時間経つころには200個ほどの差がついていますよね。英単語を例にとりましたが、単語力が200違えば、例えば入試でもTOEICでも、埋めようにも埋めきれない差が生じるはずです。
マインドセット② 覚えたいことは、集中して音読する!
私は小学1年生のころ、「音読」というものに出会いました。学校での宿題だったのです。ひょっとしたら、皆さんもそうかもしれませんね。
当時は嫌々ながらやっていた音読ですが、塾の講師を経験して、そして保険屋をやっている今では、音読の素敵な効果の恩恵を受けています。脳科学的にも音読の効果は注目されていて、平たく言えば、音で覚えたものは忘れにくいのです。
保険屋になってからは、保険証券の知識や税制、社会保障制度など難解で覚えにくいものを勉強して頭に詰め込みましたが、その時もやはり音読(というか、ロープレ)で知識を定着させました。おかげさまでお客様には、「説明がわかりやすいですね」といっていただけるようにもなりました。
高校生の時に大嫌いだった古文の助動詞も、「る・らる・す・さす・しむ・ず・じ・まし・まほし」と呪文のように唱えていた時期があって、それは今でも覚えています。
覚えたいことを音読すると確かに記憶の定着が早まりますが、注意していただきたいのは、「棒読み厳禁!」ということです。何も考えずに棒読みを繰り返しても、時間だけがかかます。音読はあくまで手段であって、「音読1時間」とか「1日100回」とかノルマを決めてもあまり意味がありません。1時間とやれば、疲れて集中力を失ってしまうでしょう。
対策としては「(見えない)相手に伝える気持ちで」「意味を理解しながら」「内容を吟味しながら」声に出すことです。
特にこれはビジネスパーソンの勉強に当てはまりますが、覚えた知識が今の仕事に直結する場合、その知識情報が相手に伝わらなければ意味がありません。保険屋さんが税制をお客様に説明するときのように、「小学生にも分かるように」伝えられるようになれば、きっと知識も定着し、さらに説明まで上手になっていることでしょう。
このように、実戦を想定して音読をすることを「ロールプレイイング(ロープレ)」といいます。ちなみに、1人ロープレでも十分に効果がありますので、気になる方はやってみてください。
マインドセット③ 無駄な「作業」は徹底して避けるべし!
これを読んでいただいている皆さんは、きっと日常の業務や部活など本当に忙しいはずです。無駄なことには1秒たりとも時間を使うべきではありません。勉強において本当に大事なことは、「暗記」「解釈・理解」「アウトプット(演習)」です。第一段階の暗記ができていなければそれまでに使った時間・コストは全て価値がありません。
例えば皆さんの中には、学生時代にノート作りが上手だった方もいるのではないでしょうか。きれいにノートをまとめて「先生、こんなに頑張って勉強してきましたよ!」と自慢げに話す人もいるでしょう。ちょっと厳しい言い方をしますが、その結果ちゃんと記憶していなければ、そのノートには一切の価値がありません。時間の無駄です。
そんな面倒な作業をしなくても、書店に行けばその分野の知識をわかりやすくまとめた書籍があるはず。それを買えば済む話ではないでしょうか。表向きは本を買う行動ですが、「時間を金で買う」という発想です。ノートまとめは金の力で短縮して、浮いた時間で音読や演習をしたり、疲れていれば睡眠に充てる方が、よほど効率的なのです。
生徒をみていて感じたのは、作業と学習を混同している人があまりにも多いということ。頑張って勉強しているのに結果がついてこないという人は、総勉強時間の中で、「作業」に費やした時間と「学習」に費やした時間をチェックしてみてはいかがでしょう。
しかしながら残念ではありますが、学校や塾が積極的に、生徒たちに「作業」を強制している場合があります。例えば、歴史の用語の意味調べとか、英語の教科書本文の丸写しとか。
小中学校では、通知表の評価要素の中に「ノートまとめ」が入っている場合が少なくありません。明示的に「ノートのきれいさ」は項目としてなくても、定期的なノートの提出が義務付けられているとすれば、やっていることの本質は同じです。無駄な作業です。
生徒側としても、対策はあります。教科書ガイドを購入して意味調べの時間を短縮するとか、教科書本文の写しは、教科書自体をコピーして使うなど。本文の写しをさせるのは、その行間にメモを取らせる意図があるので、その意図を達成できればなんだっていいのです。
少し脱線しますが、ノート作りをあれほど頑張ってやってきたのに、パワポの資料作りに苦労することはないでしょうか?実はノート作りと資料作りは、似て非なるものだと考えられます。それは、「誰のために作るか?」です。
ノート作りは当然のことながら「自分のため」です。自分が分かればそれでよいので、書いてある内容はともかく、自分が満足すればいいのです。それに対して資料作りは、相手のために作ります。だから最小の文字数で情報を過不足なく伝えることが必要になります。
学校や塾でノート作りの訓練をさせるなら、「外資系コンサルの資料作成術」のようなものをカリキュラム化すれば本当に喜ばれるのではないかと思うのですが。。。
先にも書いた通り、勉強の中心は「暗記」「解釈・理解」「アウトプット」です。それ以外は全て「無駄な作業」です。勉強をしているとき「自分が今やっていることは、作業なのか学習なのか」は常に自問自答する必要があるかもしれませんね。作業の時間を可能な限り短縮し、「作業は少なく、頭に入れるものを多く」ということです。
そのためであれば、作業を短縮してくれるものは何でも利用するのがいいでしょう。先ほど出てきた書籍なら、多くは1000~2000円くらいです。これで50時間の時間を節約できたとしたらどうでしょう。1週間分の労働時間です。ビジネスパーソンの時給は人によりけりですが、仮に時給3000円とすれば15万円分の価値があるのです。
ポイント④ 短時間でもいいから、毎日継続する!
いくら「時間対効果が大事だ」といっても多くの方が気にするのは、1日当たりの適正な学習時間ではないでしょうか。理想を言えば1時間くらいは必要だと思います。人間の脳は、直前までやっていたことを止めて新しいことをするときに「スイッチング」をしますが、いきなり新しいことに脳をフル回転させることはできないのです。
とはいえ、現代社会はみんな揃って忙しい社会でもありますから、1時間も毎日取れないのが現実ではないでしょうか。もし現実的に1日1時間が無理なら「30秒でもいいから毎日やる」と発想を変えてみてください。勉強の敷居が下がって、誰でも毎日継続できるようになるでしょう。
面白いことに、「30秒でいい」と思って勉強を始めても、本当に30秒で終わる人は稀です。ほとんどの場合は、そこから15分とか30分くらい続いてしまうものなのです。最初から1時間と区切ってやると気が重くなりますが、30秒でもいいんだと思って、結果的に15分とか集中してできれば、一定のまとまったインプットやアウトプットができるのではないでしょうか。
さいごに
ここまで読んでいただいて、いかがでしたでしょうか。
今回はどちらかというと、「○○を意識する」という観点で書かせていただきました。別の記事では、より具体的な勉強のメソッドをお伝えしていきたいと思いますので、お楽しみに!
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