自分の生きている意味がわからなくなった。
私は今年の夏まで、大学生でした。
福祉系の大学に通い、福祉を学んでいました。特に貧困に陥ったシングルマザーに興味を持ち、その子育てや生活の支援を学びたいと思い、専門のゼミにも所属していました。
私は東北の実家から、関東の大学に通い、一人暮らしをしていました。
実家は経済的にあまり裕福ではなかったのですが、自分のやりたいことを両親に伝え、奨学金も借り、なんとか一人暮らしが許されました。
もうひとつ理由があって、高校のときに好きになった人が関東に住んでいるから、なんとか近づこうと関東を選んだのです。それはもちろん両親には内緒ですが。
大学生活はとても自由で楽しいものでした。
講義では、今まで知らなかった知識をたくさん得ました。自分がやりたいことも、はっきりとは見えませんでしたが、こういうことをしたいなとぼやっと考えることもできました。そのためには専門の資格があると便利なので、その資格を取得するために勉強もしましたし、成績は上位でした。
サークル活動も頻繁に参加し、所属していた軽音サークルでは会計を任され、サークルの運営にも努めました。
私は自分の気持ちを言葉で人に伝えるのが苦手で、思ったことも自分の心のうちに隠してしまう癖があり、そのせいかストレスを抱えることも多くありました。
しかし、サークルでボーカルとギターをはじめたことで、直接的な言葉じゃなくても、歌と演奏で気持ちを伝えることができることを知りました。
私の演奏と歌で、聴いてくれている人が泣いたり笑ったり、感激を受けている様子を見て、私もやればできるんだと自信を持ちました。
それから、少しづつですが、自分の気持ちを言葉で伝えることができ、内気な性格も、社交的な性格へと変わっていきました。
そんな楽しい生活を送っていましたが、大学3年になり、就職活動や実習が現実的な問題になってきたとき、ふと思ったのです。
私はこのまま、就職活動できるのかな、と。
私はみんなと同じことがどうしても嫌いでした。
小学生のころから違和感を抱いていました。みんなが同じ行動をすることに。
みんなが黒板に書かれた文字をノートにうつします。それすら違和感を感じ、ノートをとることはしませんでした。自分で勝手に問題を解いているほうが頭に入ってきたからです。でもそれを見た先生は怒りました。なぜ怒るのかわかりませんでした。でも、みんなと同じことをしないと怒られることを知りました。
大学生になってからは、髪の毛の色を派手にしたり、奇抜な服装をしたり、とにかくみんなと同じことが嫌いでした。
就職活動に励むサークルの先輩を見ていて強く感じるようになりました。みんなと同じ服を着て、髪の毛は黒に染めて、そうしてぼやっとした大学生活での思い出やがんばったことを見ず知らずの人に伝え、それで合否が決まる。その場で今まで培ってきた大学生活の思い出を否定されたり、目標を否定されたり。
なぜそんなことをされないといけないのか。なぜみんなと同じことをしないといけないのか。
そう考えると、今の楽しい生活も、なんだかよくわからなくなってきました。
また、私は見た目にコンプレックスを持っていました。こんな見た目だから誇れる才能もない、こんな見た目だからそういった曲がった思考を持ってしまうんだ、とすべて見た目のせいにしていたんです。そこから過食嘔吐がはじまりました。常に食べ物のことしか考えられなくなりました。
そうして、体も心もぼろぼろになっていきました。
片思いの彼との再会
そんなぼろぼろの生活も、片思いしていた彼と再会したことで終わりがきました。
しかし彼は結婚して子供もいたのです。
彼の家庭での扱いはひどいものだったようです。
趣味にお金を使うと陰口を言われ、休みは週に一度の夜勤の仕事です、なのに身の回りの家事はすべて自分で行い、この生活が今後数十年続くのなら今すぐ死にたいといっていたほどでした。彼も精神的に追い込まれていました。
私は、彼を救ってあげなくちゃと思いました。しかし彼も私の生活を聞いて、同じように助けたいと思ってくれたようでした。
その後私たちは付き合うことになりました。不倫関係です。
話し合いを二人で続け、私は大学をやめ、彼は離婚し、二人一緒に暮らすことに決めました。
大学を辞める説得を両親にする
大学を辞める際、一番困難だったのは両親の説得です。
裕福でない経済状況でも私を一人暮らしさせてくれましたし、感謝もしています。
両親は大学を卒業した後に私が実家へ帰ってくることを望んでいましたから、彼と住むことは二重に期待を裏切ることになってしまいます。
そこで、まずは兄に相談し、両親にどのように説得するかを話し合いました。
退学する際に両親に説得するときに気をつけたいのは、以下の点です。
まずは兄弟がいるのなら兄弟に相談すること。
私は年の離れた兄がいるので、まず兄に相談しました。年が離れているので親身になって話を聞いてくれました。
退学を決めたときには自分も精神的に参ってしまっていたので、兄に話すことで少し楽になった気がしました。
そして次に、きちんと両親に謝罪と感謝の気持ちを伝えることです。
実家は経済的には裕福でありませんでしたので、そんな中で大学に通わせてくれたこと、しかしそれを裏切り今退学して彼と暮らすこと、その感謝と謝罪をしました。
そして一番必要なのが、辞めたい理由をはっきりと伝えることです。
先ほども述べたように、私はこのまま大学生活を続けていく理由がわからなくなったこと、そして精神的に追い詰められてきていることが大きな理由です。
また、彼の事情もありますが、それはこのとき話さないでおきました。別の問題に発展してしまいそうだったので。
しかし彼と暮らしたいという旨は伝えました。私たちにはある目標があります。
二人が好きな場所で将来暮らすことです。そのためには彼の今の仕事もやめなくてはなりませんし、その他雑費も含めてお金が必要になります。
そのお金を貯めたいことや、目標があって大学を辞める決意をしたのだから、今まで両親がかけてくれたお金や心配は無駄なものではないこと、両親の育て方や接し方が悪かったわけではない意味も含めて伝えました。
こういった子供の問題に直面すると、育ててきた両親は、自分たちに過失があったのではないかと自分たちを責めがちです。決してそういった理由ではないことを伝えるのもとても大事なことだと思います。特に私の両親はそう思いがちだと感じたので、特に強く伝えました。
以上の点についてしっかり説明し、両親は退学することを認めてくれました。
退学の手続き
大学にもよりますが、退学をする際にはいくつかの手順を踏まなければなりません。
まずは学校の学事課に退学届を提出します。その後教授会で審議され、認められると退学になります。
その後、奨学金の返済についての手続きや、学費が返還される場合はその手続きも必要になります。
また学校外でも、住民票が実家のままになっていたらその移動、年金の学生猶予の終了手続きなどもあります。
学外での手続きは今まで学生だった身としてはよくわからず不安でしたが、実際に市役所で聞くと細かく丁寧に教えていただけるので、スムーズに進めることができました。
わからないことだらけだと思うので、そこはしっかりと大人に聞くのが大切です。
大学を辞めたその後
大学を辞める前は、精神的にも辛くなり、過食嘔吐をしたり自殺を考えるほどでしたが、今彼と一緒に住み始めて、私も彼も落ち着いてきました。
まだ慣れない環境でお互いに不安はありますが、絶対的なサポーターがいるという安心感で、なんとか暮らすことができています。
少しずつ落ち着いてきた環境で、冷静に考えることができ、そこで思ったことがあります。
それは、生きているのがわからなくなるほど辛いのであればその環境から離れることの大切さです。
私は、大学という集団の生活の中に身をおくことで、自分のしたいことや自分自身を見失っていました。
このまま流れに流されることがとても嫌なのに、そうしなければ社会に出られない状況がとても辛かったのです。
彼は、自分で結婚し子供もいるという責任の中にいましたが、しかしその中で過ごしていくのは精神的にとても辛いと考えていました。
このままなら今死んだほうが楽になると考えていました。
二人ともそのままだったら、その当時よりも疲弊し、死を選んでいたかもしれません。
そう考えると、今こうして二人で暮らしていることは本当に幸せなことだと思います。もうお互いに死を考える必要はありませんから。
今の日本、今の社会の中では、集団でいることは当たり前ですし、自分に責任のあることから離れることもタブーとされる世の中です。
世間はそれを見逃しませんし、そういった人たちをバッシングします。
それが今の日本のストレス社会を進めていっている原因のひとつかもしれません。
たしかに、集団から外れて生きていくのはとても怖いことです。不安なこともあります。流れに身を任せていれば訪れない危険もあります。集団から外れるのは、そういった危険に身をさらすリスクが高まることでもあります。その危険は、責任であったり世間からの目であったり。
しかし、その集団の中で自分がわからなくなるのなら、それはそこから離れたほうがいいというサインだと思います。
集団から離れること、自分を客観的に見ること、それは逃げではありません。
自分の身を守る行為です。決して逃げなんかじゃありません。
自分を客観的に見て判断することは逃げなんかじゃありません。冷静な判断をするには、そういったことも絶対に必要です。
私たちのように、大学を辞めたり離婚したり、そんな極端な判断じゃなくてもいいのです。
自分がわからなくなったら、少し休みをとって旅行に行ったり、家でゆっくり休んだり、そんなことだっていいんです。
でもそれが簡単にできない世の中に私たちは生きています。
しかしそこで一歩踏み出す勇気が、自分のために一歩踏む出す勇気が、今の生きにくい社会を生き抜く上では大切なことなのではないでしょうか。
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