定期テスト対策に追われる中高生、受験の足音が近づくにつれてプレッシャーに襲われる受験生、そして日常の業務と並行して資格の取得に励むビジネスパーソン。
現代社会には、勉強から逃れる手段はどうやら存在しないようです。
でも、どうせ勉強から逃れられないのであれば、効率よく成果を出したいですよね。ここでは、筆者の塾講師としての経験(今は保険屋ですが)から、全科目に共通した効果的な勉強方法をお伝えしたいと思います。
目次
勉強ポイント① 最初は浅く、2周目から徐々に深く掘り下げる!
効率よく学習を進める要諦は「暗記」です。方法も大事ですが、暗記する内容も工夫すると、驚くほど効率よく、そして達成感を味わいながら継続することができます。
例えば英単語であれば、1つの単語につき複数の意味がある場合があります。1回の学習ですべての意味を暗記しようとするのはナンセンス。そんなやり方をしていると、単語帳1冊の学習が終わるころにはとてつもなく時間がたっていることがあります。
結果的に、最後の単語を学習し終えるころには、最初に学習した単語たちは忘却の彼方ということも少なくありません。これでは達成感どころか、絶望感と無力感に襲われ、学習自体が苦痛になってしまいますよね。要は、非効率的すぎるのです。
そこで成績優秀者たちが無意識に実践しているのが、短期間で何周も繰り返し学習する「スパイラル学習法」です。細かいことは気にせず、浅いところから暗記を始めて、反復・継続しながら徐々に深堀をしていくというメソッドです。
例えば英単語であれば、1回目はその単語の発音と意味(最もよく使うもの。大抵は太文字で書かれている)だけ覚えて、2回目はその単語を使った例文。3周目はその派生語、といった具合です。
当然これで終わりではなく、スパイラル学習法は「徐々に深堀する」がコツですから、この先が非常に大事です。
4回目以降は、覚えている単語や単語表現はスルーしてかまいませんので、覚えていない単語の意味から優先的に、「覚えているところは浅く、覚えていないことは深く」学習を反復します。気づいた時には1つの単語帳を10周とか20周とか学習し終えている人もいます。
これだけ繰り返せば、単語帳の1つくらいは完璧に覚えられます。え?10周とか多すぎですか?大丈夫です。1回ごとの学習はそれほど時間がかかりません。これまであった人の中には、1200語(TOEICの最高レベルの単語群)を2週間で暗記しきった人もいますから(実際には土日は遊んでいたようなので、実質10日ですね)。
トータルで12周くらいしたようですが、この人は社会人で、現業の業務を終えて帰宅してからTOEIC対策をしていたようです。もちろん、単語だけ勉強すればいいわけではありませんから、その他の学習もいれて、1日1時間が限度ということでした。
スパイラル学習法において心がけたいのは、1周をどれだけスピーディに回せるかという点です。1回をじっくり深くやるより、1回を浅くして回転数を増やした方が、より強く記憶に定着します。
スパイラル学習法は、期限と範囲が決まっている勉強に効果を発揮する!
先ほどは英単語の例を出しましたが、スパイラル学習法は学習全体の要諦でもあります。特に、学生であれば定期テスト、社会人であれば資格試験の勉強です。
英文法の学習を例にとると、1周目は教科書(参考書)を一読して「全体感をつかみ」、2周目に教科書の太字の部分を覚える。3周目は重要語句を覚えて、その次は細字の部分、その次は注釈部分、という具合です。
資格試験でも同じです。保険屋が受ける資格試験の場合、1つ1つの単元が重厚なので、1回の学習でその単元を究めようとすると他の単元に移れないので、最初にざっと流し読みをして全体感をつかみ、2周目以降に深堀していきます。
ちなみに、太字部分は重要でも、難解すぎて「読んだその時に意味が理解できない」ことがあります。そんな時はスルーして次の周に回します。案外、次の周になると周辺知識を利用して理解できたりします。勉強においてもスルーテクは重要なんです。
土台、人間が1回に記憶できる容量は上限のようなものがあるように思います。よほど記憶が得意な方は別として、ほとんどの方は無限に記憶することは期待しない方がいいでしょう。それよりも、最初は捨てるところは捨てて、2周目以降に徐々に深堀りを繰り返せば、確実に覚えることができます。
特に定期テストや資格試験など、○月×日に受験することが確定している勉強は、出る順(=重要な順)に短期間で効率よく暗記を進めることが大事です。このスパイラル学習法は最強の武器になることでしょう。
勉強ポイント②知識のメンテナンスを怠らない!
スパイラル学習法を使ってせっかくたくさんの知識を詰め込むことに成功しても、それ以降何も手を付けていなければ、徐々に忘れていくことは避けられません。
「エビングハウスの忘却曲線」によれば、人間は覚えたことを、暗記した瞬間から30分後には40%忘却し、24時間で60%、1か月後には80%を忘れてしまうそうです。つまり、1回の学習で定着する知識というのは、せいぜい20%といったところなのです。せっかくスパイラル学習法で身に着けた知識も、メンテナンスを怠るとまた振出しに戻ってしまうケースもあるということです。これは悲しすぎる。。。
記憶のメンテナンスは「皿回し」のようなもの
暗記の極意は、「忘れかけたところで復習する」ということです。大道芸人がやっている「皿回し」は、回転数が落ちてきたところでまた回転力を与え、複数の皿が常に回転している状態が保たれます。
記憶も同じように、忘れかけた(皿が落ちそうになった)ところで復習して回転力を与えます。1枚目が終わったら2枚目、2枚目が終わったら3枚目…そしてまた1枚目に戻ってくるということです。こうすると、覚えた状態を維持することができます。
こうして皿を回し続けると、1か月以上持続する、「定着した記憶」が増えてきます。
余談ですが、スパイラル学習法において「できるだけ高速で何周も学習しなおす」ことを心がけたいのは、記憶のメンテナンスに理由があります。学習の初期というのは、どうしても記憶の持続時間が短いので、高速で次の周に入り、覚えているうちに復習できるようにしたいのです。忘れてしまってから復習しても、振出しに戻るだけで効果は半減です。
成績の伸びない受験生や社会人の勉強を見ていると、知識のメンテナンスをしない人が大勢います。新しい知識をどんどん増やしていくのですが、すでにある知識をないがしろにするため、どんどん忘れていくのです。
最初は短期間で復習して、徐々に復習の間隔をあけていこう!
メンテナンスのタイミングについて疑問に思う方もいるかと思いますが、覚え始めは忘却までの期間が短いので、短期間で復習します。先ほど例に出した「2週間で1200語」の人は、最初は毎日復習でした。前日の復習をしてから当日の学習、という具合です。
ただし、ある程度記憶が定着してきてからは、復習の間隔をあけても平気です。「こんなにたくさん復習を繰り返さないといけないんですか?」と不安になる方もあるかもしれませんが、学習の後半になると、メンテナンスにはほとんど時間はかかりません。大半の知識は「知っていることの確認」になるので、初めて暗記したときほどの体力も時間も使いません。そうなれば、メンテナンスと並行して新しい知識を得る時間も増えていきます。
暗記はとにかく反復継続です。「楽して覚えられる魔法」があれば、それは編み出した本人しか使うことのできない魔法です。当てにしてはダメですよ!
勉強ポイント③ 優先順位の高い順に覚える!
些細なことに引っかかると、高速スパイラルができなくなる
世の中には、「なかなか勉強の進まないタイプ」という人が存在します。その人の個性でもあるのでしょうが、概ね、ある1つのことが解決しないとモヤモヤして先に進めないのが共通点です。
例えば国語の授業で、「馬の耳に念仏」という慣用句を学んだとします。これは「言っても意味がない」ということの例えですが、こうしたタイプの人たちは、「なぜ馬?なぜ念仏?」とか「牛じゃダメなの?」という、専門家ですらわからないような疑問を持ってしまい、そこから先に進めなくなり、結果として学習量がこなせなくなるのです。
愛すべき個性でもありますし、適性としては研究者などは向いてそうですが、実務的には少し向かない個性でもあります。
言葉にせよ制度にせよ、どのみち人間がつくなったものには理屈で説明できないことがつきもので、「なぜ?なぜ?」と立ち止まって考えるのは時間の無駄なことも多いです。「そういうものなんだ」と割り切る程度でちょうどいいのです。場合によっては、次のスパイラルで解決することだってあるかもしれませんしね。
物事には優先順位があります。勉強も仕事も同じです。優先度Aの事柄を学ぶべき人が、優先度BやCのことまで気にかけていては、勉強は永遠に終わりません。
ですから、参考書もスパイラル方式で徐々に深堀するのが効果的なのです。1回で全部やるのではなく、高速で何周も回して覚えていく。1回ですべて覚えられる人なんていないので、自信を持って何周も回りましょう!
塾によってはカリキュラムが本当にスパイラルしている!
中高生向けの進学塾においても、このスパイラル学習法が定着している教室があったりします。塾の授業は、受験生以外は定期テストを基準にカリキュラムが組まれるのが通常ですから、定期テストの範囲を予想し、高速で何周も何周も同じ単元を繰り返すのです。
1回の定期テストは3~4か月の範囲を出題しますから、1か月で全範囲を網羅し、あとの2,3か月はひたすら復習で「記憶の皿」を回し続けるのです。
その塾の授業は本当に計画的で、「授業の最後に必ずテストがある」「次の授業で前回の授業内容の復習とテストをする」ことで、記憶の皿を回し、しかも何周もやるので、結果的に生徒の記憶に定着するのです。
まとめ
この方法は、塾や学校の授業だけでなく、自宅での資格試験の勉強などにも応用することができるので、ぜひやってみてください!
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。
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