【ソウル米村耕一】仮想通貨を巡り、韓国政府の対応が右往左往している。いったんは取引所の閉鎖方針を出したものの、仮想通貨を保有する市民らの反発を受けて、その方針を打ち消した。混乱の背景には、韓国政府が仮想通貨投資ブームの過熱や犯罪への利用を警戒する一方、保有者には20〜30代の若者が多く、文在寅(ムン・ジェイン)政権の主要な支持層と重なっていることがあるようだ。

騒ぎの発端は朴相基(パク・サンギ)法相が11日午前、「仮想通貨取引所の閉鎖を目標とする『仮想通貨取引禁止特別法』を準備している」と明らかにしたこと。これに反発した市民が大統領府のサイトに閉鎖に反対する請願を相次いで送付。韓国紙によると11日午後には6万件以上が集まったという。

慌てた大統領府は11日夕に「朴法相の発言は確定したものではなく、今後の各省庁間の議論を経たうえで最終決定される」とのコメントを出し、騒動の鎮静化を図った。大統領府のサイトには12日も「廃止は旧時代の発想だ」などの請願が寄せられ続けている。

仮想通貨取引所については、日本は昨年から金融庁の審査を受けて登録する形で、存続する方向で進めているが、中国は昨年秋に取引所を通じた売買を停止するなど各国で対応が分かれている。